FGFR1融合遺伝子陽性の骨髄性又は
リンパ性腫瘍(MLN)の診断
FGFR1融合遺伝子陽性の骨髄性又はリンパ性腫瘍
―分子病態・診断編―
本疾患の治療にペマジールを活用するためにも、早期に正しく診断を行うことが求められます。G-バンド検査等によって、染色体8p11ないし12部分の転座、FGFR1が認められた場合に、本疾患の確定診断が可能になります。また、多様な臨床像を示す本疾患の診断は容易ではないため、分子病態の理解が重要といえます。
FGFR1融合遺伝子陽性の骨髄性又はリンパ性腫瘍の診断と検査
本疾患の診断では、FGFR1融合遺伝子の確認が必須であり、必要に応じて検査を実施することが求められます。
造血器腫瘍の診断で用いられるG-バンド検査は、FGFR1融合遺伝子の確認に有用であり、FGFR1遺伝子が含まれる染色体8p11ないし12の部分に転座が認められた場合に、本疾患の確定診断が可能になります。また、FISHも8p11ないし12の転座、FGFR1の検出に有用とされます。
承認時評価資料:国際共同第II相試験(INCB 54828-203試験)より作図
本疾患では、好酸球増加を伴うことが多く、必発ではないものの鑑別のひとつとして重要といえます。
また、好酸球増多症の診断において、FISH又はRT-PCRによるFIP1L1-PDGFRAの検査が陰性だった場合でも、FGFR1が陽性である可能性が考えられます。 FGFR1が陽性の場合にはペマジールが使用可能であり、本疾患を鑑別するためにも、8p11転座、FGFR1の検査を実施することが望ましいとされます。
好酸球増加は鑑別のひとつとして重要になる
Jackson CC, et al. Hum Pathol. 2010; 41(4): 461-476.
WHO2016年版に則した好酸球増多症の診断アルゴリズム
Reiter A, et al. Blood. 2017; 129(6): 704-714.
Reprinted from blood, 129(6), Reiter A et al., Myeloid neoplasms with eosinophlia, 704-714, Copyright 2017, with permission from The American Society of Hematology.