ペマジール

製品の特徴

胆道癌
MLN
  1. 線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)のチロシンキナーゼ活性を阻害する低分子化合物です。FGFR融合タンパク等のリン酸化を阻害し、下流のシグナル伝達分子のリン酸化を阻害することにより、腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられています。
  2. 有効性
    <がん化学療法後に増悪したFGFR2融合遺伝子陽性の治癒切除不能な胆道癌>
    国際共同第II相試験(INCB 54828-202試験)において、化学療法歴のあるFGFR2融合遺伝子陽性の治癒切除不能な胆管癌患者に対する有効性が認められています。
    • 奏効率(ORR)は35.5%(38/107例)で、奏効と判定された38例における奏効持続期間(DOR)中央値は7.49ヵ月でした。
    • 無増悪生存期間(PFS)中央値は6.93ヵ月でした。
    • 病勢コントロール率(DCR)は82.2%(88/107例)でした。
    • 全生存期間(OS)中央値は21.06ヵ月でした。

    注1)効能又は効果に合わせ、コホートAのデータを記載

    FGFR1融合遺伝子陽性の骨髄性又はリンパ性腫瘍>
    国際共同第Ⅱ相試験(INCB 54828-203試験)注2)において、FGFR1融合遺伝子陽性の骨髄性又はリンパ性腫瘍患者に対する有効性が認められており、本剤の全体及び連日投与における治験責任(分担)医師評価の有効性は以下のとおりでした[データカットオフ(2021年6月30日)時点]。
    • 完全奏効率(CRR)は全体で62.5%(25/40例)、連日投与集団で66.7%(18/27例)で、完全奏効と判定された全体25例、連日投与集団18例における完全奏効持続期間(DOCR)はいずれも央値未到達でした(9ヵ月時点のDOCRのKaplan-Meier推定値は全体で80.3%、連日投与集団で73.7%)。
    • 奏効率(ORR)は全体で72.5%(29/40例)、連日投与集団で77.8%(21/27例)で、奏効と判定された全体29例、連日投与集団21例における奏効持続期間(DOR)はいずれも中央値未到達でした(9ヵ月時点のDORのKaplan-Meier推定値は全体で82.3%、連日投与集団で75.9%)。
    • 細胞遺伝学的完全奏効率(CCyRR)及び細胞遺伝学的部分奏効率(PCyRR)は、全体でそれぞれ70.0%(28/40例)及び15.0%(6/40例)、連日投与集団でそれぞれ74.1%(20/27例)及び14.8%(4/27例)でした。
    • 無増悪生存期間(PFS)は全体及び連日投与集団いずれも中央値未到達でした(12ヵ月時点のPFSのKaplan-Meier推定値は全体で79.1%、連日投与集団で91.3%)。

    注2)本試験結果には一部承認外の用法及び用量による症例を含むが、承認時に評価された資料であるため掲載

  3. 安全性
    重大な副作用として、網膜剥離、高リン血症が報告されています。
    主な副作用(10%以上)は、脱毛症、爪の障害、口内炎、下痢、味覚障害、疲労、口内乾燥、ドライアイ、皮膚乾燥、悪心、食欲減退、手掌・足底発赤知覚不全症候群、便秘、関節痛、四肢痛、睫毛乱生、低リン血症、腹痛、体重減少、角膜障害、結膜炎でした。
    製品電子添文における副作用、及び臨床成績の安全性をご参照ください。